レポート:小坂有史(2015年度選科)
開講式の翌日5月17日、CoSTEP11期生は「このチームで何ができるか」というテーマで初めてのワークショップにチャレンジしました。私たち受講生はチームのメンバー自身が中心となって実行する「科学技術コミュニケーションに関する何らかのプロジェクト」を企画しました。このワークショップは、以下の三点を目的として実施されたものです。
・お互いの人となり・バックグランド・やりたい事などを知る。
・CoSTEPの活動で重要な要素を占める「チームでの作業」と「企画の作成」を体験する。
・ワークショップの中での様々な発見・疑問点・課題を参考に、一年間自らの学習目標を考える。
まず、最初に、「できるだけ多くの人と話し、共通点を見つける」というアイスブレイクを行った後、ワークショップ全体のガイダンスが行われました。そして、5~6名ずつのチームに分かれグループワーク開始です。
グループワークの始まりは約20分の自己紹介から。「チームのメンバーとしてどんな力を発揮できるか」「科学技術コミュニケーションの分野で自分は具体的にどんなことをやりたいか」を紙に書き、他のメンバーに向けて簡単に説明を行います。この自己紹介を通して、メンバーそれぞれのバックグラウンド・スキル・モチベーションに触れ、それらをうまく活かせるようなプロジェクトを考えます。この自己紹介は、すべて企画の材料となる重要なものでした。
次に、約1時間かけてプロジェクトについてのディスカッションと企画書の作成を行います。ディスカッションの初めは、付箋等を使ってそれぞれがやってみたいことを提案していきます。
いくつかの案がでると、「個人のバックグラウンドを持ってできる事」同士がつながり、「誰かとコラボレーションすると面白い事」のグループができてきます。これらのグルーピングをもとに「みんなの持ち味を活かした」プロジェクトを作り上げていきます。また、プロジェクトを企画すると同時に、実際に行うにあたってメンバーそれぞれの役割についても考えます。ここでも、先に行った自己紹介が活きてきます。
そして、最終的には模造紙にプロジェクトのタイトル、目的、内容および役割分担を記載した企画書を作成し、各チームがそれぞれ5分間の発表を行いました。
質疑応答では、聞き手から質問だけでなくコメントやアドバイスも数多く寄せられ、それぞれのチームにとって有意義な情報を得ることができました。さらに、このワークショップ全体が受講生一人一人にとって、これからの1年間どのような目標を持って学べばよいかを改めて考える良い機会になりました。
このワークショップCoSTEPが受講生に届けたのメッセージは、
「科学(科学技術)は孤独ではない」
「科学(科学技術)コミュニケーターは孤独ではない」
という2つです。
前者は、科学技術はそれそのものだけでなく他の様々なものと組み合わせることによって、非常に魅力的なコンテンツになりうる、という事を意味しています。そして後者は、科学技術コミュニケーターは決して一人で仕事をするのではなく、様々な人と、それぞれの得意分野やモチベーションを活かしてチームとして共にプロジェクトに取り組むことで可能性は無限に広がる、という事を意味しています。
1時間半という短い時間ではありましたが、今回のワークショップ私たち受講生は、様々なバックグラウンドを持つチームメイトそれぞれの持ち味を活かし、お互いが協力し合うことで、プロジェクトが思いもよらなかった素敵なものに化けていくという事を実感し、この経験をもとに一年間の目標を立てることができました。