3連休の最後の日だった7月18日、CoSTEPは「ニセコプロジェクト」と題したイベントを開催しました。実はこの3連休、CoSTEPではファシリテーション選択演習、映像選択演習1に続きニセコプロジェクトまで、充実した学びの時間に設定していたのです。その最後の日、ニセコ在住のCoSTEP客員准教授葛西を中心に、ニセコという場所独自の文化を理解し、地域に根付いたことを考えることを目指すプロジェクトを行いました。
弥照神社前での集合写真
本科からは取材を目的としたライティング・編集実習班のメンバー、エネルギー問題比較研究で集まった「札幌可視化プロジェクト」実習班のメンバー、対話の場の創造実習メンバー、選科Aからも参加してくださいました。
ニセコプロジェクトは午前中のニセコ見学、サイエンスカフェinニセコの開催、カフェからのワークショップ開催まで、三部構成になっていました。
王子水力発電所の前で大野さんの説明を聞く
1. ニセコ有島地区見学
有島地区にある、大正10年に立てられて今でも発電している「王子水力発電所」をはじめとして、「有島謝恩会館」、またオビラメの会による、尻別川でのイトウを保護するための池「有島ポンド」を見学しました。続いて有島記念館で展示をみて、有島武郎が有島農場を小作人による土地共有を前提として無償解放した「弥照神社」まで周りました。地域のエネルギー問題を話し合う前に、現状を見て考えるきっかけになりました。
有島ポンドの前で。遠くに有島記念館が見えます。
2. ニセコのエネルギー自立を考える、サイエンスカフェ in ニセコ
第87回サイエンス・カフェ札幌を札幌で開催した際に、ニセコの話ですからぜひニセコでもカフェを行って欲しいとの意見がありました。その要望もあり、より地域に密着してエネルギー問題を話し合う場を設けたいという考えから、第153 回 まちづくり町民講座・サイエンスカフェin ニセコとして「未来は自分で変えられるードイツのエネルギー自立に学ぶニセコの挑戦」を開催しました。
ニセコ駅前中央倉庫群内交流空間にある旧でんぷん工場の模型
開催した「ニセコ駅前中央倉庫群屋内交流空間」は、昔はでんぷん工場として使われていた場所だそうです。天井には、その構造がそのまま残されており、独特な雰囲気を作り出していました。同じ空間が過去と現在でその使い方を変え、でんぷんの代わりにみんなの意見をつくりあう場になったことが印象的でした。
カフェには、67名の参加が集まってくださり、ドイツやニセコのエネルギー問題についてじっくり話すことができました。話し手として酒井恭輔さん(北海道大学電子科学研究書 助教(光工学))と、大野百恵さん(ニセコ町役場企画環境課環境モデル都市推)、またニセコカフェ特別ゲストとしてロブ・マックマホンさん(ニセコ町在住・エコハウスビルダー)が登場し、事例を紹介しました。聞き手としてはニセコ町在住のCoSTEP葛西奈津子が勤めました。
3. 未来は自分で変えるための、ワークショップ
カフェに続き、自ら実践できるエネルギーのアクションを考えるワークショップを行いました。34名の参加者で、6つのグループに分けてそれぞれ自分が住むまちでできる行動を考えてもらい、ハガキに書いて共有しました。2時間の時間があっという間にすぎ、お互い影響しあいながらプランを立てることができました。ワークショップが終わってカジュアルな懇親会も行い、さらに話を進め懇親を深めました。
ニセコ町の円坐を含めたニセコ町在住の方々、ニセコのエネルギーにご興味のある方々までお集まりいただいて充実した議論が行われたと考えます。ニセコという、札幌と違うまちをみることで、ニセコの魅力を発見し、さらに自分のまちを見つめ直すきっかけにもつながりました。ニセコプロジェクトは、今後も続けていく予定ですので、次回も楽しみにしてください。