実践+発信

ソウル国際交流ワークショップ参加しました

2016.11.24

河合美典 (CoSTEP「札幌可視化プロジェクト」実習 / 北海道大学薬学部薬科学科4年)

 本科「札幌可視化プロジェクト」実習を中心とするCoSTEP本科の受講生は、2016年11月1日~3日まで韓国・ソウルで行われたAAA(Asia Arts Agroforestry) Projectの国際交流ワークショップに参加しました。本ワークショップは韓国芸術総合大学、大阪工業大学、そして北海道大学CoSTEPの3大学が合同で行いました。「芸術」・「工業」・「科学技術コミュニケーション」という異分野を学ぶ学生達が国境を越えて交流することを目的としています。韓国芸術総合大学からは8名、大阪工業大学からは10名、CoSTEPからは「札幌可視化プロジェクト」実習の受講生を中心に6名が参加しました。

去年の「ソーシャルガーデニング」に続いて2回目の開催となる今年のテーマは「ソーシャルダイニング」。よりよい社会を食事を通じて創造していくために、自分たちの専門分野を掛け合わせて新たなアイディアを出し合いました。特に、両国が等しく直面している高齢社会における「食事」を考えることがお題でした。今年は、若者の社会問題に対する活動や青年ベンチャーを支援する、ソウル革新パークでの開催となりました。

1日目は自己紹介から始まりました。最初はぎこちなかったものの、打ち解けた後はそれぞれの文化や生活について会話が弾みました。ワークショップに関するオリエンテーションの後は、大阪工業大学の学生による技術発表がありました。その中でも人気を集めたのは「お寿司を食べるVR」。実際にVRを体験させてもらい、本当にお寿司を掴んでいるかのような臨場感を味わいました。

その後は3大学混合のグループに分かれ、2日目の中間報告に向けての話し合いが始まりました。慣れない英語でのコミュニケーションに、お互いの意見が上手く伝わらず、最初は苦労しました。身振り手振りで必死にコミュニケーションを図るグループ、スマートフォンの翻訳機能を活用するグループ、日本語ができる韓国人学生がいるグループなど状況は様々でしたが、各グループの特徴を生かした活発な意見交換がなされていました。

2日目も朝から話し合いやプレゼンテ―ション資料の作成が続きました。お昼を一緒に食べ、さらに交流が深まっていきます。韓国には、一緒に食事をとるということを大切にする文化があります。私たちも韓国滞在中に韓国芸術総合大学、大阪工業大学の学生たちと何度も食事を共にし、韓国料理を堪能しました。

夕方からは各グループの中間報告を行いました。これまでの話し合いの過程を簡単なプレゼンテ―ションにまとめ、アイディアを共有しました。先生方からフィードバックをもらい、さらに話し合いは続きました。

3日目は最終日。この日は最終報告を行うと共に、グループごとに料理を作る企画がありました。みんなで近くのスーパーに買い出しに行き、会場のキッチンで調理を行いました。おいしそうな料理が着々と出来上がっていきます。

そしていよいよ最終報告。各グループが考える「ソーシャルダイニング」に関するアイディアを発表しました。ARを用いて若者に調理を教えるSNSや、余った具材を持ち寄ってみんなで調理を行う企画、VRを通して離れた場所にいても一緒に食事をしている感覚を味わうシステムなど、「芸術」・「工業」・「科学技術コミュニケーション」を融合させた独創的なアイディアをたくさん聞くことができました。

最終報告を終え、最後は各グループが作った料理の試食会が行われました。濃密な3日間を終えた後のご飯は本当においしかったです。

今回のソウルワークショップ2016では分野、国境を越えたコミュニケーションを体験し、改めて科学技術コミュニケーションの難しさと楽しさを実感しました。また、ソウルに滞在し札幌との違いを見出すたびに、札幌の街を客観的に見直すことができました。今回のワークショップはこれからの「札幌可視化プロジェクト」実習に様々な形で活かされる貴重な経験でした。韓国総合芸術大学、大阪工業大学の皆様、ありがとうございました。

ワークショップで得られた学びはしっかりと振り返り、映像と印刷物という形でドキュメンテーションの作業を行っています。その報告も、そして次なるCoSTEPの国際交流ワークショップも、楽しみにしていてください。