実践+発信

ペルソナワークショップを開催しました

2017.10.1

8月31日から3泊4日間、遠友学舎とuntapped hostel別館、札幌市内でペルソナワークショップを行いました。ペルソナワークショップは、3年前から続けてきているAAA(Asia Art Agroforestry) プロジェクトの一環として行いました。国境も、専門も、文化も異なる学生同士が集まり、つくりあげるプロセスで共に学ぶことで、「混農」のように、多様性を理解し、表現するワークショップです。昨年はソウルで、今年は札幌で開催しました。 韓国芸術総合大学のデザイン専攻の学生、大阪工業大学の情報メディア学科の学生、北海道大学CoSTEPの学生が集まり、それぞれ自分の「仮面づくり」に挑みました。

ワークショップにおける仮面制作の条件は5つありました。

・自分のペルソナについて考え、表現すること

・グループでペルソナを集め、ストーリーを作ること

・使用言語が異なる人でも理解できるようにすること

・科学技術を用いて仮面制作をすること

・札幌を舞台として用いること

でした。専門も個性もバライティー豊かなメンバーで、どのようなペルソナ、どのような仮面が制作させるか楽しみでした。

1日目は、自己紹介とペルソナの意味探し

初日は自己紹介と、アイスブレーク用のワーク後、ペルソナの定義についてみんなで話し合い、自分のペルソナに関する仮面の土台を制作しました。ペルソナに関する定義は様々で、自分自身を指す場合も、自分の理想形を意味する場合も、そのほかのキャラクターを意味する場合もありました。話し合いから出ていたペルソナを、韓国伝統のお面の型や紙袋を用いて、仮面の土台を作って、1日を終えました。最後に大阪工業大学の学生が準備してきたテクノロジーのデモがありました。

2日目は、札幌の街歩き

2日目は、1日目につくった仮面をかぶって、その仮面がしそうな身体の動きを体験する体操を行いました。

そのあと、グループごとに札幌の街に出て、ペルソナの性格や物語を発展させ、ストーリーの背景になる場所を見つける時間にしました。4つのグループの楽しみ方はそれぞれ個性豊かでした。

3日目は、物語づくりとリハーサル

3日目には、2日目まで制作した仮面を元に、物語を作ってモエレ沼公園でリハーサル・中間講評を行いました。各グループで発表するのは10分。表現のプロではないので、改善点が浮き彫りになり、リハーサルでのコメントを元に修正を重ねました。

4日目、発表

4日目には、大通公園を中心に、グループごとに5分で作った物語を発表しました。

時計台の裏にある創成川公園で発表したチーム

西8丁目と西9丁目の間にあるイサム・ノグチの彫刻を舞台に発表したチーム

西9丁目と西10丁目の間の芝生で発表したチーム

札幌市資料館の裏庭で発表したチーム

発表時間は、内容が集約できるため最終的には5分にまとめました。それぞれの班のペルソナが一つの物語になり、お互いのペルソナが物語の中でよりはっきり見えてくるようになったところ、グループ間のコミュニケーションを活発に行おうとしたところは評価できると思います。また、札幌が舞台になったところから見えてくるものもあり、場所からインスピレーションを受けてからの制作は効果があったと考えます。

今回のワークショップは、それぞれ目的の異なる人々が集まって行うものでした。韓国芸術総合大学の学生は異なる専門の人々との共同作業体験、大阪工業大学の学生は技術の活用方法の体験を目指して参加しています。その中で、CoSTEPの学生は自分の目標を探すところから話を進めていきました。ワークショップ全体の「ペルソナを探し、仮面を作り物語にする」タスクはありましたが、その中で自分が感じる気づきや違和感から、学びにつながる要素を探して積極的に探ることに挑みました。

参加者の感想を聞いてみると、コミュニケーションが難しかったこと、仮面制作が大変だったという感想はありますが、やはり圧倒的に「楽しかった」という意見が多いです。札幌で楽しくあつく過ごした時間での記憶が、これからもっとそれぞれを成長させると思います。

普段行なっていることとは異なったことを体験した3泊4日の非日常。その時間で学んだことをしっかり自分の言葉に置き換える作業が必要です。ワークショップ終了後も、振り返り作業を行なっています。

ワークショップの様子は、全体ドキュメンテーションブックでも確認できます。