実践+発信

CoSTEP制作協力しているFM番組「FRONTIER SPIRIT RADIO With 北海道大学」22回放送

2007.3.2

純北海道産の宇宙開発「カムイロケット」 大学院工学研究科 永田晴紀教授インタビュー


コーステップの受講生が制作協力しているFM番組 「FRONTIER SPIRIT RADIO with 北海道大学」22回目の放送は、北海道大学大学院工学研究科教授の永田晴紀先生のインタビューです。

みなさんは、北海道で宇宙開発が行われているということをご存 じでしたか?

永田 先生たちが2002年に作った北海 道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)を中心に大学 と地元企業が協力して、宇宙ロケット開発が行われてきました。

中 でも注目されているのが永田先生たちが開発した「カムイロケット」です。

スペースシャトルを打ち上げるメインエンジン、日本 のH2Aロケットのメインエンジンも燃料 が液体水素、酸化剤が液体酸素で両方とも液体なので液体燃料ロケットといいます。一 方、その横についてるブースター(補助)ロケットは、燃料 と酸化剤がいっしょに固まった状態なので固体燃料ロケットです。ロ ケット花火も、中は火薬ですから、固体ロケットですね。

 

永田 先生が開発しているカムイロケットは、そのどちらでもなく、“固 体”の燃料と“液体”の酸化剤を使うので“ハ イブリッド”ロケットと呼ばれています。

 カム イロケットはまだ研究開発段階ではありますが、いろ んな優れた特徴と可能性を持ったロケットです。

インタビューの前半は、ここをクリックすると聞くことができます。

下の写真が実物のカムイロケットの燃料、プラスチックの一種でとても安全です。

宇宙開発は、基本的には国のレベルで行われていて、H2A ロケットなどは大型の衛星を打ち上げることができる巨大なロケッ トです。

1キ ログラム当たりのコストは安いのですが、大型 過ぎて、何トンという重さの衛星を使うような重大 なミッションにしか使えないんですね。個人 が何百グラムくらいの衛星を打ち上げたいといっても、その 権利を小分けして売ってはくれないんです。一 方、小型のロケットが作れる固体ロケットは単価が高いんですね。そこ で永田先生たちは、カムイロケットのようなハイブリッドロケットにす ることによって「コストが安く」しかも「小型」のロケットを作ろ うとしているんですが、それが実現すると小型の衛星を安く打ち上げること ができるようになります。そうするとそんな重大なミッションではなくても。 例えば農協単位とか学校の授業で使うなど、ほと んど個人レベルにまで衛星の利用の幅が広がってくることになるんですね。

そういった今後の展開についてのインタビュー後半は、ここをクリックすると聞くことができます。

永田先生ありがとうございました。