下條朝也(2018年度 選科B/学生)
モジュール2の第1回、村井貴先生(CoSTEP特任助教)による講義「実践入門」では、実践とはなにか、そのための準備や心構えについて学びました。
実践とはなにか
ある辞書の定義によれば「実践」とは「《目的》成就の《過程》のこと」を指す言葉だそうです。村井先生はこのことを「一歩一歩踏みしめながら本当の豊かさを実現」することだと言い換えていました。
CoSTEPにおける実践の「目的」とは
それでは、CoSTEPが成就させたい《目的》とは何でしょうか。CoSTEPの活動理念のひとつに「双方向的な科学技術コミュニケーション」があります。研究者と市民の相互理解の深化を図るために、両者の間にコミュニケーターが「聞き手」として立ったり、質疑応答の敷居を下げるために質問にコミュニケーションカードを用いたりしています。
実践のすゝめ
では実践ではどのような《過程》を踏まえることで、より良く目的を成就することができるのでしょうか。
はじめに必要なのが、「企画の立案」です。実現可能性の高い企画を導くためには、やりたいこと、できること、求められていることの三つを考えることが大事だそうです。また、誰のために行うのか、なぜ行うのか、どのように、いつ実現するのかについても考える必要があります。アイデアの出ないときの有効な手段として、既知のもの同士をかけ合わせることがあります。
その後、スケジューリング(実施日から逆算して予定を立てる)、取材(取材前の下調べが肝心)、構成(受け手になにを持ち帰ってもらいたいかを意識して起承転結を考える)、広報(媒体を問わず幅広く行う。デザイン性は高く!)、本番(事前のロジの完成度が成功への鍵)、振り返り(アンケートを実施し、上記プロセスのどこが悪かったかを考える)の順番で続いていきます。実践後に活動報告記事を書いたり、論文化したりすることで、自分たちの活動を深く見つめ直すきっかけが生まれます。振り返りを活かしながら、この一連のプロセスを繰り返すことで、より良い実践につながっていくそうです。
振り返ったあとは
村井先生は、CoSTEPは失敗できる場だといいます。失敗したときは、なぜ失敗したのかを考え、次に活かすことが大切です。このような、実践を通して学ぶ環境が整っていることが、CoSTEPの強みだと改めて思いました。村井先生、ありがとうございました。