実践+発信

「プレゼンテーション伝える」7/7古澤輝由先生と池田貴子先生の講義レポート

2018.7.13

姜 知佑(2018年 選科A)

モジュール2「表現とコミュニケーションの手法」の最終回、古澤輝由先生と池田貴子先生(CoSTEP特任助教)による講義「プレゼンテーションで伝える」では、科学技術コミュニケーターとして必要なプレゼンテーションの基本的な考え方・実践スキルと「伝える相手」に対する想像力の重要さを学びました。

 

プレゼンテーション、好きですか? では、得意ですか?

講義はプレゼンに対する簡単なアンケートから始まりました。プレゼンテーションの好き嫌いを10から1まで順序をつけて選ぶアンケートでは、主な点数が6から8の間に分布していました。次に、プレゼンテーションが得意・不得意を問うと、比較的点数が低くなりました。古澤先生は、これについて「得意」には「聞き手」の評価が必要になるからではないかと説明しました。

プレゼンテーション:誰に、どんな影響を与えたいのか

「プレゼンテーション」とは「特定の対象者に対して、何らかの影響を与える目的を持って行う、時間と場所の限定された表現行為」です。プレゼンテーションを準備する時には、6W1H(Why なぜ、When いつ、Where どこ、Who だれ、Whom 誰に対して、What for 何のために、How どうやって)を意識することで、明確な方針を作ることができます。その中にも「誰に対して(伝える相手)」、「何のために(目的、影響)」に注目するべきだと先生はおっしゃいました。では方針の設定した後はどのようなプレゼンをすれば効果的でしょうか?

 

プレゼンテーションの4つの要素

プレゼンを効果的にするために意識する4つの要素があります。ストーリー・構成、説明、デザイン、デリバリーです。ストーリー・構成については、魅力的なタイトルになるよう工夫すること、テイクホムメッセージを持ち帰れるようにすること、起承転結などの「流れ」を作りながら、時間の調整ができるように構成することが大事です。説明については、聞き手によって「分かりやすい説明」が何かも異なること、だから優先順位を決めて、適切な速度を選ぶ必要があるという話がありました。

デザインのパートは池田先生が担当してくださいました。デザインはただ飾ることではなく、「目的を達成するための戦略」です。不必要な部分を削除してノイズを少なくすること、フォントと色の使用にも気を使い視線を誘導すること、Universal Designへ配慮することの重要性を学びました。

 

「伝える相手」に対する想像力を働かせよう

古澤先生と池田先生は、プレゼンテーションでは「伝える相手」に対する「想像力」が重要だとおっしゃいました。そのためには、伝える相手の考え方、感情の動き、年齢、職業、モチベーションなどを考慮することが求められます。

この講義自体が模範となるプレゼンテーションの実例となる構成になっていたため、とても参考になりました。今まではプレゼンテーションといわれると、苦手で逃げたい気持ちばかりでしたが、先生がたのお話を聞いているうちに学んだ技を試してみたくなり、勇気づけられました。