2018年10月18日、第17回世界湖沼会議(つくば国際会議場)でCoSTEPの早岡英介特任准教授が、「バーチャルリアリティ(VR)技術による湖沼環境教育~Expanding the Possibility of Lake Environmental Education by Using Virtual Reality Technology」と題した発表を行いました。
北海道大学CoSTEPでは2017年10月15日にバーチャルリアリティ(VR)技術による環境教育イベント「没入!バーチャル支笏湖ワールド」を、札幌市青少年科学館で小中学生向けに実施し、そこで使用されたVRコンテンツは朝日VRアワードを受賞するなど高い評価を受けました。
VRを環境教育に活用する場合、再現性が重要であり、流れがない湖沼は撮影しやすい環境といえます。特に北海道の湖沼や河川は透明度が高いことが特徴で、支笏湖は水質測定結果(湖沼部門)10年連続日本一になっています。
今回、VRコンテンツを用いて、「支笏湖の透明性とその地形的要因」「外来種の生息状況や在来種への影響」「文化資源、観光資源としての価値」という3点を子供たちに伝えました。取材した大学生、院生にとっては現場でリアルな体験が得られ、VRを体験した小中学生には仮想空間での教育効果が得られるという、二重の意味での環境教育効果があることもわかりました。
ただしVR技術によって能動的な参加を促すためには「人々が対象物を探す動機づけ」「観察空間の位置関係を理解させること」「視線を誘導するためのテロップ配置」という3点が重要であることも本実践による知見として報告しました。