実践+発信

138サイエンスカフェ札幌「もしもし、未来のわたしへ」を開催しました

2025.2.8

はじめに

本稿は、2024年10月29日に実施したサイエンスカフェ「もしもし、未来のわたしへ」(「第83回日本公衆衛生学会総会」市民参加型特別企画)に関する報告記事です。

CoSTEPの教育プログラム「対話の場の創造実習」では、受講生自身がサイエンスカフェの企画・運営に携わることで、サイエンスコミュニケーションの場づくりを実践的に学んでいます。

なかでも私たち朴班は、公衆衛生学会より依頼を受け、妊娠や出産を見据えた心と身体の健康づくり――プレコンセプションケア(以下ではプレコンと呼びます)をテーマにサイエンスカフェを開きました。

メンバー(CoSTEP 第20期 対話の場創造実習受講生 朴班):
菊池、桜木、佐藤、田邊、松下、李

準備段階

不安だらけのスタート

メンバーと顔なじみになって間もなく、カフェを開くことになったTEAM PARK(朴先生担当の班、LINEグループ名は格好良く英語表記)。プレコンとは?学会での開催……?不安だらけのスタートです。

まずは、プレコンについて各自調べて情報を持ち寄り、背景知識を得ることに努めました。しかし、これがなかなか大変です。調べれば調べるほど、全体像が大きくなっていくばかりで、カフェの軸を決めるのにとても苦戦しました。そこで今回のカフェのゲストである先生方3名(前田先生、馬詰先生、佐野先生)にお話を伺うことに。先生方とのお話やその後のTEAM PARKでの話し合いを通して、人生、良くも悪くもまさかは起こりうること、そして、妊娠出産を含めたそれらのまさかを受け入れて自分の人生を豊かにデザインしていくためにプレコンは重要だ、という認識のもとでカフェの内容を詰めていくという方向性が固まりました。

ワーク、どうする!?

今回のサイエンスカフェでは、ゲストとの対談だけではなく、架空の人生を擬似体験することでプレコンの大切さを実感できる、参加者が主体のワークを実施することにしました。擬似体験にはどのようなツールを用いるのか、朴先生から提示していただいた様々なワークの実践例を参考に考えていきます。

私たちは今回、カードゲームから着想を得て、もしもカード、そしてアクションカードをメインとして架空のカップル(公 衆太と衛 生子)の人生を追うようなグループワークを企画しました。

ワークシートは、衆太と生子の人生を追った大きな人生年表です。ここにカードを配置していくことで、プレコンの解像度を上げてもらう目的があります。

また、用いる人生年表はどのテーブルでも同じものですが、以下で説明するカードの内容がテーブルごとに異なります。参加者の違いも含めて様々な対話が生まれることを期待して、ワークをデザインしました。

人生年表

大学院生の衆太(左)とアイドルの生子(右)

もしもカードには衆太と生子の人生の中で起こりうる「もしも」の出来事が書かれています。二つ折りにされたカードを開くと関連したさらなる「もしも」が現れます。参加者はまず表面に書かれた「もしも」が二人の人生のどの段階で起こりうるのかを考え、年表に貼ります。

そしてカードを開いて現れたさらなる「もしも」について、再度、それらが人生のどこで起こりうるのかを考えます。「月経困難症」一つをとってもその影響は「不妊」など、将来に及びうることを実感してもらうためです。

しかし、これだけでは二人の人生は心配事だらけになってしまうため、これらの「もしも」に対処するためのアクションを考えていきます。アクションカードについても、もしもカードと同様二つ折りにされており、人生で起こすべきアクションを二段階で考えます。

例えば、「病院に行く」というアクションに対しては、カードをめくると「かかりつけ医をつくる」という項目が現れます。自分の体調の変化に敏感になり、異変があった時には怖がらずに産婦人科医に行くことの大切さが伝わればという思いで作りました。

もしもカード(右:青と白)とアクションカード(左:黒と橙)

これに加えて、健康のために○○したほうがいいと頭では分かってはいるけどできない、という思いや、素朴な疑問について参加者の皆さんに吐き出してもらうもやもやカードも用意しました。「産婦人科に行くのは怖い」などの率直な思いも共有できる場づくりを目指しました。

最後に、参加者一人ひとりにもしもしカードとして、未来の自分自身に向けてメッセージを残すためのカードを用意しました。上記のワークを通じて自身の人生を豊かにするヒントを見つけてもらいたい、という願いを込めた最後のワークツールです。

これらの内容を決めるにあたっては、参加者を傷つけるような内容にならないよう、細心の注意を払いました。「色々なアイデンティティーを持った人がいて、それぞれの人生には本当に様々なことが起こりうるけど、それらに正解も間違いもなくて、どんな人生も素敵なんだ!」という考えを大切に準備に取り組みました。そのような共通認識をもっていたからか、TEAM PARK自体の雰囲気も本当に温かく、サイエンスカフェ当日まで和やかに準備を進めることが出来ました。

ここまで読まれた方は、とんとん拍子にワークの準備が進んでいるように見えたかもしれません。しかし、ワークで伝えたいことの分量の多さのあまり、それを数十分のワークにどのように落とし込むべきか、とても頭を悩ませました。サイエンスカフェの直前まで何度も作り直し、内容にうまく折り合いをつけて数十分で実施できるワークが完成しました。

そして10/29、いよいよサイエンスカフェ当日。事前申し込みを行っていなかったこともあり、参加者が集まるのかドキドキしながら会場に向かいます。


会場に向かうTEAM PARKたち

当日:ゲストの話題提供・ワーク

開場

今回のサイエンスカフェは、第83回日本公衆衛生学会総会の市民参加型特別企画として開催されました。学会初日の締めくくりを飾る本プログラム。夕暮れの札幌コンベンションセンター206号室で受付開始となりました。

会場には学会参加者に加え、一般市民や学生が続々と集まります。参加者は総勢40名ほどの大盛況。机の上に配置された見慣れないカードやツールに、「これからどんなイベントが始まるのだろう」と会場全体が期待感に包まれていました。

この度の会場となった夕暮れの札幌コンベンションセンター206号室。学会参加者に加え、一般市民や学生が続々と集まります。参加者は総勢40名ほどの大盛況。机の上に配置された見慣れないカードやツールに、「これからどんなイベントが始まるのだろう」と会場全体が期待感に包まれていました。

開始

進行役はTEAM PARKの田邊真郷さん。サイエンスカフェの幕が開きました。

プレコンの認知度を尋ねる田邊さん

デリケートな話題のため、名札を裏返して休憩できる工夫を施しました。
幸いにも、これが使われることはありませんでした

3名のゲストによるレクチャーと、架空のカップルの人生に起こり得る「もしも」やそこに対応する「アクション」を考えるグループワークで構成された今回のサイエンスカフェ。

まず、このカップル2人の人生を概観するムービーが会場に流されました(製作はTEAM PARKの佐藤太生さん)。ドラマチックな音楽に合わせて、それぞれが辿った人生、出会い、そしてそこから2人で歩む人生が紹介されました。

ウェディングムービーさながらに、参加者の心と2人の人生との距離を近づけます。

ゲストの話題提供

今回のサイエンスカフェでは、3名の専門家をゲストとしてお呼びし、それぞれからプレコンに関する話題提供をしていただきました。

1. 前田先生によるプレコンの基本知識紹介

前田恵理先生(北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室)はプレコンに関する基本的な知識について紹介しました。

前田先生は、まずプレコンの概念について説明し、これが若者の健康づくりと深く関連し、妊娠を視野に入れたヘルスケアであることを強調しました。その後、女性のライフコースの観点から、早期にプレコンを実施する重要性を指摘しました。

また、女性用のプレコンチェックシートを用いて、妊娠しやすさに影響を与える生活習慣について解説しました。さらに、出生体重に関連するリスク因子や低出生体重が生活習慣病の発症リスクに与える影響について説明し、健康的な生活習慣の重要性を示しました。

加えて、男性におけるプレコンにも触れ、精子濃度や総精子数が先進国で減少している現状を紹介しました。また、身体活動量や座位時間が精子に及ぼす影響についても解説し、男性用のプレコンチェックシートを用いて、男性向けのプレコン教育の不足とその重要性を指摘しました。

前田先生の講義を通じて、性別や年代を問わず、健康的な生活習慣とプレコンの重要性を深く理解することができました。

プレコンチェックシートについて話す前田先生(右)と、聴き手のTEAM PARK 田邊さん(左)

2. 馬詰先生による実践的な性教育と妊娠・出産の現場紹介

馬詰武先生(北海道大学病院産科・周産母子センター)は、高校時代に登山でけがを負った際、後輩に助けられた経験から、感謝の思いを胸に人を助ける医師を志したそうです。

先生は実践活動に基づき、性教育のイメージや妊娠・出産の現場をテーマに話題提供をされました。高校生を対象に、妊娠と出産に関するシミュレーション教育を実施しており、妊娠週数の数え方、超音波検査、妊娠検査薬の使用方法を紹介しました。また、妊娠検査薬陽性の体験や妊婦体験ベストの着用などを通じて、高校生が妊娠を具体的にイメージできるよう工夫していました。

さらに、分娩についても、帝王切開に関する知識や分娩時期・時間の説明を行い、留置針の挿入を含む分娩現場の体験も提供しました。これらの実践活動の後、アンケートを分析し、講義内容の振り返りを行っています。最後に、実際の医療現場はドラマとは異なり、チーム医療を重視することが強調されました。

性教育について話す馬詰先生(右)と、聞き手のTEAM PARK 松下さん(左)

3. 佐野先生による保健所の視点からのプレコン調査結果紹介

元産婦人科医でもある佐野友宇子先生(北海道石狩振興局 保健環境部保健行政室(北海道江別保健所))からは、妊娠30週目というご自身の経験も交えつつ、保健所職員の視点からプレコンについて紹介していただきました。

佐野先生はまず、職員を対象としたプレコンの認知度や業務に関する調査結果を示し、その分析を行いました。その結果、保健所職員のプレコン認知度はあまり高くなかったにも拘らず、プレコンについて説明を行った後は、「自身がプレコンに関する業務をしている」と答えた方が大勢いたことを指摘しました。さらに、プレコンの普及には教育や職域間の連携が不可欠であること、また保健所職員や地域住民への認知度向上が重要であることを示しました。加えて、一般市民の認知度向上のために広く認知される「きっかけ」を作る重要性を強調しました。

最後に、妊婦としての視点から、健康的な生活習慣の重要性を実感していると述べました。佐野先生のスライドには、先生ご自身が描かれたイラストが使用されており、非常に親しみやすい内容になっていました。

自画像と共に話す佐野先生

聴き手を務めるTEAM PARK 佐藤さん(左から二番目)

以上、3名のゲストによるプレコンに関する話題の提供を通じて、サイエンスカフェの参加者はワークを始める前に基本的なキーワードについて理解を深めることができました。

グループワーク

レクチャーが終わり、各テーブルのファシリテーターに進行のバトンが渡されました。「もしもカード」と「アクションカード」を用いたグループワークの始まりです。

衆太と生子、2人の人生のどんなタイミングで「もしも」が起こりそうか、また、人生の「もしも」に対してどんな「アクション」が必要かを考え、人生年表にカードを配置します。

配置される「もしもカード」

3名のゲストから提案された、多様なプレコンの要素が2人の人生年表の上に、実際に起こり得る出来事として可視化されていきました。「これって女性だけ?」「いや男性もだよね。」「もっと早い方がいいかなぁ?」「これってどういうこと?」など、カードを片手に自然と会話が進みます。

以下では、あるテーブルでのカードの内容、生まれた対話を紹介します。

もしもカード

表面に「やせすぎ」、裏面に「低出生体重」と書かれたもしもカード。前田先生の話題提供で紹介があった、母体のやせすぎが低出生体重リスクに関連するという内容を示しています。

あるテーブルでは、最初の参加者が「やせすぎ」のカードを、生子がアイドルグループの一員として大活躍する21歳に配置しました。その後、次の参加者が「低出生体重」のカードを受け取り、妊娠・出産を迎える35~36歳のタイミングに置きました。

若い頃の「もしも」が、その後の人生で別の「もしも」につながる可能性を感じ、もしもの連鎖を考えさせられる瞬間となりました。

アクションカード

表面に「パートナーとのコミュニケーション」と書かれたアクションカードが登場しました。一見、どの時期にも適用できそうに思えますが、このカードを引いた参加者は24~26歳のタイミングに配置しました。

衆太と生子がそれぞれキャリア形成に忙しい中で、出会いから交際へと発展し、これから本格的に関係性を築いていく時期。早い段階から意識的にコミュニケーションを取ることの重要性を考えた配置です。

次の参加者がこのカードを受け取り、裏面を確認すると、「定期的な対話をルール化してみる」と書かれていました。そのカードは、結婚の約束をしつつも公にはできない不安定な26歳の場面に置かれました。

パートナーとのコミュニケーションにおいて、定期的な対話をルール化することが効果的であるという点には、参加者全員が概ね同意をしていました。しかし、実際に自分のパートナーと実行すると考えると、「少し気恥ずかしい」「ちょっと怖い」といった声も聞かれました。

なぜそこを選んだかなど説明しながら配置していきます

ゲストの先生方も各テーブルをまわり、積極的に対話に参加しました

多くのカードが配置されにぎやかになった人生年表。
人生には多くのもしも・アクション・もやもやがあることを表しているよう

共有タイム

イベントの終盤では、各テーブルのワークでどのような対話が行われたかをファシリテーターが発表し、会場全体で共有しました。プレコンや性教育の開始時期や取り組むべき対象など、テーブルによって多様な話題が出たことがわかりました(付録参照)。

共有された内容は以下の通りです。

  • 教育やコミュニティづくりをいつから始めるか?早い段階から取り組むことで、変なバイアスがかかる前に学びを深めることが大切だという話があった。
    「ストレスをためない。育休を取る。」そういった雰囲気を作るために周りの人を巻き込んで取り組んでいく必要があるという話があった。
    妊娠中の感染症が赤ちゃんに影響があるという話題が出た。その中で男性の感染症はどうなのか?という問いかけがあり、感染症の種類によっては赤ちゃんに影響がある場合もあるという話があった。
    どのタイミングでプレコンに関する情報を受け取るべきかという話題が出た。妊娠や結婚のタイミングでどこが相談窓口なのかなど正しい情報を得られるとスムーズなプレコンができるのではないか。
    早めに取り組もうという話が多く出た。5歳くらいから性教育があったらいいのではないか。かかりつけ医の話だと中学校・高校くらいからあったらいいのではないかということだった、といった話が出て、人生年表の上の方(若い時期)がカードで埋まった。
    中学校位でプレコンを始められたらいいのではないか。参加者に中学校の先生がいて、自身の学校では性教育の機会が多くない。どうやったら充実させられるかという話題が出た。
    子育て等、様々な困りごとについて女性ばかりが悩んでいないか。男性も含めみんなで取り組めたらいいのではないかという話があった。

前に出て対話内容を共有するファシリテーターの皆さん

閉幕

あっという間に過ぎた90分。ゲストの先生方に講評も頂きながら、最後は参加者の皆さんに「もしもしカード」を書いていただきました。

講評では勉強になった・楽しかったとのコメントを頂きました。専門家目線でもいい場づくりができたのだと、胸をなでおろしました。

最後に進行役より、「プレコンって難しいけれど、もしもの人生を想像して、明日から一つだけプレコンを実践してみようかな、と思ってもらえたら」と一言。

サイエンスカフェ、盛況のうちに閉幕です。

ご来場ありがとうございました!

アンケート・もやもやカード・もしもしカードを見て

カフェの後日、振り返りとして、参加者の方々に書いていただいたアンケート・もやもやカード・もしもしカードを集計しました。

ここでは、その結果の一部を抜粋します。また、もやもやカードに書かれた質問へのゲストの方々からの回答も紹介します。

アンケートの結果

〇サイエンスカフェに参加したことがあるか

初めてが約60%、3回以上が約40%という結果でした。公衆衛生学会内での企画ということもあり、学会の参加者の方が多い印象でした。

〇参加者の年齢・性別

36才以上が全体の8割を占めました。特に16歳~25歳が少なかったのですが、これは場所的・時間的な要因も影響していると思います。これも学会の中という今回のサイエンスカフェの特徴だと感じました。また、性別は女性が8割を超えており、関心の高さを感じましたが、プレコンは男女問わず広げていきたい概念だということを踏まえるとまだまだ足りないという気もします。

〇文理・仕事

理系が75%を占め、文系は20%弱という結果でした。これは医学系のテーマであることも強く影響していると思いますが、公衆衛生学会という場所を考えると文系の方も多いように感じます。また、学生や研究者の方は多くなく、一般の方が70%強でした。ファシリテーターをしていた私としても、保健師の方など、プレコンに関わりのあるお仕事の方が多い印象でした。

〇満足度

全体として高い満足度を頂きました。人生の擬似体験という設定により、プレコンについて考えやすくなったという声を頂きました。しかし、ワークで対話する時間が短いとの意見も寄せられました。これは私たち自身も強く感じていたところで、準備段階・当日の時間管理には改善の余地があります。

さいごに

企画全体を振り返ってみて

6月に始まり、当日と振り返りも含めて半年間、プレコンについて考える日ばかりでした。

カフェをやり終えた今でも、プレコンというテーマには難しさを感じます。関連する概念や立場の多さ、そして人生との結びつきの強さ……。これらは、調べて考えてを繰り返したからこそ感じる難しさであり、面白さだとも思います。そのような中でも、自分らの解釈・伝えたいこと=立場をきちんと持つことが、サイエンスコミュニケーターとして心掛けるべきことの一つなのかもしれません。

……なんて思っていたら、企画運営そのものが持つ大変さ(見通し、スピード感、人員、時間、稟議、会場関係、司会、ファシリ、などなど)に足を絡め取られることも多々あり。総じて、慣れない部位の筋肉を鍛える日々でした。

それでも!TEAM PARKには様々な立場・経験を持った人たちがいて、お互いを補い合って前進することができました。ノウハウや専門的スキルもそうですし、恐れずに意見を出し合えたことも、サイエンスコミュニケーター筋(?)の成長に繋がりました。

場づくりを支えてくれたまわりの人々

そして、この企画はTEAM PARKの実習生だけが進めたわけではありませんでした。

企画を最後までサポートし、ポスターやワークシートのクールなグラフィックを担当してくださった朴先生。
当日カフェに参加し、真剣に取り組んでくださった参加者の方々。
専門家としてあらゆる立場から話題提供をしてくださったゲストの先生方。
ギリギリまで流動的だった企画に対応して当日手伝ってくださった他班の実習生の方々。
私たちを企画に集中させるために、裏であらゆる下支えをしてくださったスタッフの方々。
(私事ですが、CoSTEP以外で普段関わっている人にも活動を応援していただきました。)

今年度の「対話の場の創造実習」は、もう一つ別のテーマで実践的学習に取り組みます。
この経験を経て、いくらか胸を張って臨めそうです!

ありがとうございました!


付録:共有タイムの詳細

カフェ終盤にファシリテーターから共有された、各テーブルでの対話の内容を以下にまとめます。

  • 教育やコミュニティづくりをいつから始めるか?早い段階から取り組むことで、変なバイアスがかかる前に学びを深めることが大切だという話があった。
    「ストレスをためない。育休を取る。」そういった雰囲気を作るために周りの人を巻き込んで取り組んでいく必要があるという話があった。
    妊娠中の感染症が赤ちゃんに影響があるという話題が出た。その中で男性の感染症はどうなのか?という問いかけがあり、感染症の種類によっては赤ちゃんに影響がある場合もあるという話があった。
    どのタイミングでプレコンに関する情報を受け取るべきかという話題が出た。妊娠や結婚のタイミングでどこが相談窓口なのかなど正しい情報を得られるとスムーズなプレコンができるのではないか。
    早めに取り組もうという話が多く出た。5歳くらいから性教育があったらいいのではないか。かかりつけ医の話だと中学校・高校くらいからあったらいいのではないかということだった、といった話が出て、人生年表の上の方(若い時期)がカードで埋まった。
    中学校位でプレコンを始められたらいいのではないか。参加者に中学校の先生がいて、自身の学校では性教育の機会が多くない。どうやったら充実させられるかという話題が出た。
    子育て等、様々な困りごとについて女性ばかりが悩んでいないか。男性も含めみんなで取り組めたらいいのではないかという話があった 。
付録:タイトル「もしもし、未来のわたしへ」・プレコンという名前について

カフェのタイトルは、準備期間が中盤に差し掛かるところで名付けられました。
カフェで何をするのか・したいのか、まだまだ焦点が合っていなかった時期のことです。

しかし、調査の段階で私たちが持っていた「プレコンは妊娠・出産だけではない、人生の話だ」、「人生は”まさか” “もしも”の連続なのだ」という解釈や思いがよく表れたと思います。

タイトルのおかげで企画の軸を据えることもできましたし、名前が持つ力の大きさを感じました。

名前といえば、プレコンという名前は、まだまだ社会に浸透していません。

「プレコン」が日常用語であるような世の中になれば、あるいは新たな名前を伴って広まったなら、また異なる雰囲気のカフェが開かれるのでしょうか。