北大の古い温室を場にして、バイオアートを軸にしたアートプロジェクトを進める「アノオンシツ」プロジェクト。天塩研究林で樽を作るために伐採した木の残りの部分を用いた作品が、エフロクブンノイチ展示室で開催されている「TSUJI AKI SOLO EXHIBITION / A TREE」展で紹介されています。
辻有希さんは、木をつかって暮らしのものを制作しているアーティストです。木の表情を観察して、それを活かす辻さんのものづくりの中からは、愛らしさと力強さが感じられます。
今回の展示では、藻岩山の緑豊かな環境が特徴のエフロクブンノイチ展示室での空間や、緑が輝く季節と合間って、辻さんの木に対する愛情が清々しい形で展示されていました。
展示されている作品は、展示室の周辺に生えてある梅の木の枝を用いたモビール、石に似ている形の花瓶やお香建て、お盆やお皿、木のオブジェーの作品まで、様々です。
作家の辻さん
“木の作品は、柔らかくしなやかなイメージがよく浮かび上がると思いますが、
私は木が持っているかっこよさ、無骨さを表現したくて、
石のイメージを持って作品をつくりたかったです。”
また、小屋の展示場所では、北海道大学の天塩研究林で、樽をつくるために伐採したミズナラを使ってつくった、座れるような彫刻も展示されていました。
まだ乾き切れてない状態なので、日々乾燥具体が変化して、ヒビが入るなどその表情が変わっていきますが、その様子も含めて見守るような作品になったと、辻さんは言います。作品をつくってそれで終わりという態度より、ずっと日常の中で作品と、木と、呼吸していくような姿勢が見えるところが印象的でした。
「藻岩山も樹種によって微妙に異なる色味で彩られ、グラデーションが美しい頃。木々は強い日差しを遮り、涼しい木陰をつくってくれます。」という、エフロクブンノイチ展示室の展示紹介の言葉通り、真夏の輝かしいひと時を楽しめる展示になっています。
TSUJI AKI SOLO EXHIBITION / A TREE
2021.7.15木ー7.20火 12:00–18:00
会場 エフロクブンノイチ展示室