デジタルメディアと科学技術コミュニケーションとの関わりについて考えるシンポジウム「どう活かす,電子書籍」〜ウェブメディアで拓く科学技術コミュニケーション〜を,以下の要領で開催します。
CoSTEPでは,ノーベル化学賞を受賞した北海道大学の鈴木章名誉教授の研究成果を受賞発表後いち早く伝えるために,あらゆるWebの表現手段を活用してきました。1時間後にはウェブ上にプレスリリースを出し,1ヶ月後には実験の映像や解説アニメーションと連動した電子書籍を公開しました。この電子書籍は今後,Kindleなどの電子デバイスでも閲覧できるようになる予定です。
本シンポジウムでは,電子書籍に象徴されるデジタルメディアのトレンドの本質を抽出することを試み,それが科学技術コミュニケーションにどのような可能性や課題をもたらすのか,逆に,科学技術コミュニケーションの立場からどのような提案をしていくべきなのかといった点について,多様なバックグラウンドのゲストをお招きして議論を交わしつつ,会場のみなさんと一緒に未来の方向性を探っていくことを目指します。
また,12:00〜16:30には電子書籍を体験できる特設ブースを設けます。実際に見て,触って,電子書籍を身近に感じていただくために,(株)アイワード,(株)インテリジェント・リンク+正文舎印刷(株),凸版印刷(株)デジタルコンテンツソリューションセンターが出展します。
参加は無料です。
日時:2011年3月13日(日)13:00〜15:30
会場:北海道大学 学術交流会館小講堂
主催:北海道大学 CoSTEP
協力:(株)アイワード
(株)インテリジェント・リンク+正文舎印刷(株)
凸版印刷(株)デジタルコンテンツソリューションセンター
【パネリスト】
内田麻理香(サイエンスライター/科学技術コミュニケーター)
東京大学大学院学際情報学府文化人間情報学コース博士課程在籍。書籍・ウェブ・新聞・テレビ等,各種媒体を通じて科学技術コミュニケーターとして活動中。著書に『カソウケン(家庭科学総合研究所)へようこそ』『科学との正しい付き合い方 -疑うことから始めよう-』など。
岡本真(アカデミック・リソース・ガイド株式会社代表取締役)
1998年よりインターネットの学術利用をテーマにした専門サイトを運営。メールマガジンACADEMIC RESOURCE GUIDEを発行するかたわら,主に研究環境の電子化,電子図書館化,蔵書検索(OPAC)の高度化,デジタルアーカイブ,ウェブアーカイブについて執筆・講演活動。
佐藤健太郎(サイエンスライター/東京大学大学院理学系研究科広報担当特任助教)
1998年にウェブサイト『有機化学美術館』を開設。 CGによる分子の画像を交え,有機化学に関する様々な記事を公開し,2005年には鈴木-宮浦クロスカップリングも詳細に紹介している。これらは『有機化学美術館へようこそ-分子の世界の造形とドラマ-』として書籍化もされた。 著書に『医薬品クライシス -78兆円市場の激震-』 『化学物質はなぜ嫌われるのか-「化学物質」のニュースを読み解く-』。
杉山滋郎(CoSTEP代表/北海道大学大学院理学研究院教授)
2005年より,CoSTEP代表。2010年11月, CoSTEPスタッフとともに電子ブック『鈴木章 ノーベル化学賞への道』を制作,12月それを紙書籍として北海道大学出版会から発行。
石村源生(CoSTEP特任准教授)(司会兼)
知覚心理学の研究に携わった後,(財)日本科学技術振興財団で三洋電機太陽電池科学館「ソーラーラボ」,大成高等学校「大成風のミュージアム」の展示企画ディレクションや,自治体科学館の基本構想策定などを行った。
2005年CoSTEP発足に参画し,以来科学技術コミュニケーション教育に従事。
なお,午前中は2010年度CoSTEP成果発表会が開催されます。1年間の学びの成果をステージ上から,さらにポスターで発表します。こちらもあわせてご参加下さい。
【プログラム】
09:00〜10:00 成果発表ポスターセッション
16:00 まで小講堂横の会場で開催)
10:00〜12:00 成果発表会
杉山代表挨拶
成果発表
本科各実習,選科A,選科B,その他
質疑
教員からのコメント
12:00〜13:00 昼休み・ポスターセッション
(電子書籍特設ブース〜16:30)
13:00〜15:30 シンポジウム「どう活かす,電子書籍」
15:30〜15:40 『鈴木章 ノーベル化学賞への道』 印税寄贈式
15:40〜15:50 修了式
脇田稔・高等教育推進機構長 挨拶
修了証授与