北海道大学CoSTEPは、著作『鈴木章 ノーベル化学賞への道』の収益(印税)など50万円を、3月22日、日本化学会に寄付しました。
『鈴木章 ノーベル化学賞への道』(北海道大学出版会、2010年12月刊)は、鈴木章・北海道大学名誉教授が2010年ノーベル化学賞を受賞されたのを機に、CoSTEPの教員が取材・執筆・撮影・編集して制作した同名の電子書籍(2010年11月刊)をもとに、内容をいっそう充実させて出版したものです。
取材にあたっては、鈴木章氏はもとより共同研究者の宮浦憲夫氏も、「人々が科学技術に関心を持つきっかけになるなら」と、お忙しいなか快く応じてくださいました。
一方、私たちCoSTEPの教員は、科学技術が社会の中でよりよく活用されるようになることを願って、科学技術コミュニケーションの教育活動を行なっており、その一環として『鈴木章 ノーベル化学賞への道』の制作に取組みました。
そこで同書を出版するにあたっては、収益(印税)を「科学技術の研究者と国民との間の双方向的コミュニケーションを促進する活動を支援するため」に、公益的な団体などに寄付することとしました。
鈴木章氏や宮浦憲夫氏のご厚意にお応えするとともに、科学技術コミュニケーションが日本でもっと盛んになるのを願ってのことです。
この間、収益(印税)の寄付先について検討を重ねてきました。そしてこのたび、公益社団法人・日本化学会に受け入れて頂くことにしました。
同学会は、かねてより化学教育協議会(3月より同学会の普及・教育部門に改組)などを通して化学の教育・普及に積極的に取組んでこられましたし、鈴木章氏の研究分野と密接に関係する学会でもあるからです。
『鈴木章 ノーベル化学賞への道』は、おかげさまで多くの読者を得ることができ、3月中に第3刷がでるまでになりました。
そこで3月22日に、日本化学会北海道支部を訪問し、同支部長の中村博氏(北海道大学大学院環境科学研究院・教授 /上の写真の前列左)に、CoSTEP代表の杉山から、これまでの収益など計50万円をお渡ししました。(※)
同学会がこれまでにも増して「科学技術の研究者と国民との間の双方向的コミュニケーションを促進する活動」に取組むにあたり、その一助にして頂けますと幸いです。
(※) 『鈴木章 ノーベル化学賞への道』を出版するにあたり、元村有希子氏(毎日新聞科学環境部デスク)に推薦文を執筆して頂き、同書の帯に掲載しました。元村氏からは、そのときの執筆料もCoSTEPからのとあわせて寄付するとのお申し出を頂きました。50万円の中には、元村氏からのご寄付も含まれています。