実践+発信

三省堂サイエンスカフェin札幌「細菌がひきおこす胃の病気」

2011.10.25

CoSTEP共催の三省堂サイエンスカフェin札幌。共催7回目の今回は、北海道大学大学院医学研究科特任教授の浅香正博さんをゲストに迎え、開催されました。

浅香さんの近著『胃の病気とピロリ菌〜胃がんを防ぐために〜』(中公新書)の内容を中心に、胃の病気、とりわけ胃がんはどのようにして発生するかについて、お話しいただきました。ピロリ菌への感染によって、胃がんの危険が増加することをさまざまなデータをもとにして手際よく解説していただき、とても内容の濃い1時間半でした。

日本では、毎年胃がんで亡くなる方は5万人ほど。これは交通事故の死者数の約10倍です。それだけに、胃がんをはじめとする胃の病気の対策は、非常に重要です。今回のカフェで、ピロリ菌を除菌することが、胃の病気の治療にとても効果的であり、費用も安く簡単にできるということが、よくわかりました。

 エピソードも随所に交えていただきました。ピロリ菌の発見者であるオーストラリアの医師は、2005年のノーベル医学生理学賞を受賞しましたが、浅香さんと昔から交流があり、浅香さんが贈った作務衣を大事に着ているとのこと。最後にサプライズでしたが、浅香さんは爆風スランプの「ピロリ」という曲を流して、話を締めくくりました。

フロアからは活発な質問が相次ぎ、終了後も、浅香さんに参加者が列をなして質問していたことが印象的でした。

  • 日時:2011年10月2日 15:30-17:00
  • 会場:三省堂書店札幌店・UCCカフェ(JRタワー札幌ステラプレイス5階)
  • ゲスト:浅香正博さん(北海道大学大学院医学研究科 特任教授)
  • コーディネーター:斉藤健(北海道大学CoSTEP 博士研究員)
  • 主催:三省堂書店札幌店
  • 共催:北海道大学CoSTEP