実践+発信

遷移段階のスタート地点に立つ

2024.3.21

坂口 香帆/選科A(イベントデザイン企画運営)
社会人


受講のきっかけ

もともと学生時代からCoSTEPの存在は知っていました。社会人になり、環境系のコンサルタントとして従事するなかで、環境問題に関する現場の意見をきく手段として科学技術コミュニケーションが重要ではないか?科学技術コミュニケーションの切り口からどのようにアプローチできるか?そのヒントを探したく受講しました。特に選科での対面型演習では学生から社会人まで、様々な専門の方が全国から集まるので、多様な話題を共有できることは非常に刺激的だろうなと思っていました。

集中演習・サイエンスイベント

振り返ると、集中演習は台風のようでした。本当にゼロの状態から、企画構成、ポスターデザイン、資料作りに目まぐるしく動いた3日間でした。教員の方々からは、的確かつ鋭い指導が飛んでくるので、サイエンスイベントの終着点を見つけることに大変苦労しました。ただイベントを考える中で、自分の意見に対して違った視点で他の意見が返ってくる過程で、班全体として企画の構成が洗練されていき、創造における対話の効果をより強く感じました。

(オンラインイベントの強みであるツールの活用。みんなの推しの形が集まる)
(みなさま悩みまくっていたら夜中。お疲れ様でした)

遷移(Succession)はこれから

修了式の成果発表会では、全ての班が集結して成果物を作成しました。作成したポスターのテーマは「SCS ~Science・Communication・Succession~」。一年間の学びを通して考える科学技術コミュニケーションにまつわる現状課題、その解決策、そしてあるべき科学技術コミュニケーションの未来像に関する意見を参加者から募集し、植生遷移に見立てたポスターに反映していく構成にしました。

(未来像はやっぱり花を咲かせたいという思いをこめて)

一年間の学びを通して、「科学技術コミュニケーションとは何であるか」という問いに対し「これだ!」という明確な答えはまだ出せておりません。科学技術コミュニケーションの形は、多岐にわたり非常に複雑なので、むしろ現時点では遷移のスタート段階に生えているコケのようなものと認識しています。自分にとっての科学技術コミュニケーションの解像度を上げていくために、コケから次にどう遷移していくかが重要だと思っています。

CoSTEPは、科学技術コミュニケーションのフィールドに踏み込むきっかけを与えてくれます。ぜひその世界に一歩、いやそれ以上でも足を踏み入れてみてください。


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