実践+発信

「ソーシャルメディア現在とゲーミフィケーション可能性」/725 深田浩嗣先生の講義レポート

2012.8.3

 7月25日は,株式会社ゆめみ 代表取締役社長の深田浩嗣さんによる講義「ソーシャルメディアの現在とxWebサービスにおける成功の秘訣はソーシャル性をいかにうまく活用するかにかかっているともいえますが、このソーシャル性とゲーミフィケーションを上手く組み合わせたサービスも次々に誕生してきています。

身近なゲーミフィケーション
 ゲーミフィケーションの応用例としては,マーケティングと従業員のモチベーション向上などがあります。マーケティングへの利用の一例として,「Nike +」が紹介されました。このサービスでは,ユーザーのジョギングやウォーキングの記録が数値化されます。それによって,目標が明確になり,ユーザーのモチベーションの維持・向上につながっているそうです。また,ユーザー間で競争や協力もでき,こちらもユーザーのやる気を刺激する仕組みとなっています。
モチベーションの向上に必要なこと
 ネットでのゲーミフィケーションの目的は,ユーザーのエンゲージメントを向上させることです。エンゲージメント,つまりモチベーションの向上に必要なのは,?目的,?自律性,?有能感の3つです。?の目的とは,何故その行動をするのかという意味を自覚することを指します。?の自律性は,自分で考えて行動し,それに対する責任を持つことを表しています。?の有能感とは,達成感や能力の向上など,何らかのフィードバックが必要だという意味です。優れたゲームには,これら3つの要素が含まれているものです。ゲーミフィケーションは,これらをゲーム以外のサービス上で達成するための手法とも言えるでしょう。
おもてなしの心で,ユーザーをヒーローにしよう
 ユーザーをヒーローにすること。これが,ゲーミフィケーションの最終目標です。ゲーミフィケーションを取り入れる時は,まず,そのサービスのユーザーがどのようなヒーローになりたいのかを考える必要があります。とは言っても,ヒーロー観,つまりユーザーが何を求めているかは,人それぞれです。ユーザーの気持ちになり,どうしたらより快適にサービスを使ってもらえるか。ユーザーを理解することこそが,ゲーミフィケーションでの一番のポイントとなるのです。

 相手の立場になって,相手を楽しませようとする考え方は,日本に昔からある「おもてなしの心」に通じるものがあります。ソーシャル時代のおもてなしを表現するデザインの手法こそが,ゲーミフィケーションなのかもしれません。「これからはそんな世界観を実現していきたい」と,深田先生は最後に熱く語ってくれました。
西野 明理沙 (2012年度CoSTEP本科生)