実践+発信

64 サイエンスカフェ札幌「ピッピッピピピピ カラダホンネ 実験しよう! ぼくらのバイオシグナル」様子をレポートします。

2012.8.10

  8月4日(土)、第64回サイエンス・カフェ札幌が開催されました。今回のゲストは、北海道大学 大学院情報科学研究科 特任助教の棟方渚(むねかた なぎさ)さん。テーマは「バイオシグナル」です。バイオシグナルとは、「シグナル」が示す通り、体温や血圧、脳波、筋電、心電など人体が発する信号のことです。今回のカフェでは、手のひらの汗に注目しました。暑い時に全身にかく汗と違って、手のひらの汗はこころの変化に敏感に反応して出るのです。実際に発汗を測定してみると、驚いたときや、自分では気づかないほどの焦りや不安でもカラダは敏感に反応し、汗を出していることが分かります。

ゲストの棟方渚さん

   参加者の皆さんにも体験していただこうということで、手のひらの発汗を使った対戦ゲームを行いました。ゲームの展開に動揺して焦ってしまうと手のひらに汗が出るので、より落ち着いているほうが勝ちという、「落ち着きを競う」内容です。自分では焦っていないと思っていても、発汗は「カラダのホンネ」を細かくとらえます。ゲームを体験した方々は、自分ではまったく感じない発汗の変化に驚いていました。

 

   バイオシグナルは、測るだけではなく利用することもできます。バイオシグナルを見ながらトレーニングを積むと、自分の「落ち着く」または「興奮する」という状態をコントロールできるようになるのです。棟方さんの研究では、脳の異常から生じる発作の治療に、ゲームを元にしたシステムを応用することを目指しています。

バイオシグナルの研究は、これからもさまざまな場面で利用できそうです。そこで、参加者のみなさんにも「これってバイオシグナルかな?」あるいは「バイオシグナルを使ってこんな便利なものができたらいいな!」というアイデアを考えてもらいました。短い時間でしたが、なんと46種類、参加者の半分以上の方がアイデアを出してくださいました。これは私たちスタッフの想像以上で、棟方さんも驚いていました。
(レポート:2012年度本科生 遠藤恭平)