実践+発信

「実践活動を客観化し質向上につなげるためのプログラム評価」 1019 安田節之先生の講義レポート

2013.11.11

科学技術コミュニケーションの実践で必要な考え方と手法を学ぶモジュール5。初回は西武文理大学サービス経営学部准教授の安田節之先生にお越しいただき、プログラム評価について講義をしていただきました。

プログラム評価とは?

講義は、まず「プログラム」とは何なのか、そしてそれを「評価する」ことの意味についてのお話から始まりました。

コンピュータの「プログラム」など、みなさんもプログラムという言葉自体は聞いたことがあるのではないでしょうか。しかしこの講義における「プログラム」とは、何かの目的(ゴール)を達成するために、人が中心となって行う活動全般を指します。ある活動がプログラムであるか否かという境目は、「ゴール」があるかどうか、という点にあります。プログラムを行うことによって何らかの成果、良い効果(インパクト)があることが大事なのです。

プログラム評価の難しさ

プログラムを評価する、ということは、プログラムの機能や、それを実行することによる影響などを、システマティックに判断するということです。単なる調査や実験ではなく、価値観を持った評価をすべきだと先生はおっしゃいました。

ただ、プログラムを評価するのはとても難しい、と先生は続けます。それはプログラムには形がなく、効果も見えにくいこと、人によって得られる効果やメリットも違うという特徴があるためです。加えて評価の方法や基準も様々であることが、難しさを生んでいます。

プログラムの客観化

このつかみづらい「プログラム」というものをどう可視化したらよいのでしょうか。先生はプログラム可視化のためには、1.ゴールの構造の探索 2.参加者への効果の可視化 3.運営方法の検討 という3つのエッセンスが重要とおっしゃいました。

そしてまず、実際に行われたメンタルヘルスの向上を目的としたプログラムを例として説明してくださいました。さらに、ゴール構造の探索と効果の可視化については、CoSTEPの活動について考えるワークを行いました。これまで可視化させてしっかり考えることはなかったため、難しさを感じるとともに新鮮で、とても良い経験になりました。

CoSTEPでは受講生が広報誌作成やサイエンスカフェなどのプログラムを多く実施しています。そんな私たちにとって今回の講義はとても有意義な時間となりました。安田先生、ありがとうございました。

(深堀友貴 2013年度本科・北海道大学大学院理学院 修士1年)