実践+発信

「壁」を乗り越える

2011.3.31

「一番じゃなきゃダメですか」。その発言の文脈や真意はともかく、メディアで繰り返し報道される事業仕分けの決め台詞は、科学者も積極的に市民とコミュニケーションをとらなければならない時代になったと感じさせるには十分でした。自分にそれができるだろうか、そんな不安と危機感がCoSTEPを受講したきっかけでした。 CoSTEPでは、なにかとなにかの「壁」を越えたコミュニケーションを実践しているプロから貴重な講義を受け、コミュニケーションの心構えや技術、どのような課題があるのかといった幅広い内容を学びました。さらに、実習や演習という形でコミュニケーションを実践していきました。私は北大広報誌を作成する実習に参加しましたが、どう表現すれば読者にわかりやすく北大をアピールできるか、苦闘した10ヶ月でした。もちろん研究をしながら実習や講義に参加することは決して楽とは言えませんでしたが、その分「壁」を乗り越える様々な足がかりを得ることができたように思います。 学生から社会人まで実に多種多様な受講生が集まり、様々な刺激を互いに与えあいながら学ぶことができるのもCoSTEPの大きな魅力です。コミュニケーションを学ぼうと思っている人にとってこれほど学びに適した環境はなかなかないのではないでしょうか。

西野 智博
北海道大学大学院獣医学研究科博士課程