栗原 利奈(2016年度本科/学生)
今回の講義は村井貴先生の「ウェブデザインのすゝめ」です。ウェブが日常になっている昨今における、ウェブデザインとのかかわり方を考えます。
ウェブデザインとはなにか?
ウェブの特長は対話的な要素です。ウェブの利用者はインターネット回線を用いて、ウェブサーバと情報のやり取りをしています。ウェブデザイナーは、この人間とサーバを上手く「対話」させる存在のこと。村井先生曰く、ウェブサーバの情報を利用しやすい形にして、対話的に提示することがウェブデザインのポイントです。
「デジタルアレルギー」
旧来のメディアにこだわり、ウェブに拒絶反応を示す人も少なくありません。しかしウェブには情報の即時性やフットワークの軽さなどの利点があります。コミュニケーションによってデジタルとアナログの壁を取り払うこと。ここに科学技術コミュニケーターとしての真価が問われていると村井先生は考えているそうです。
先を読むチカラ - ゲームチェンジを生き抜く
ゲームチェンジとはスマートフォンが生まれた時のような、社会を大きく変える波のこと。ウェブでゲームチェンジに挑んできた経験を紹介した上で、村井先生は「先を読むチカラ」がゲームチェンジを生き抜くキーになると言います。今後ますますその頻度が高くなると村井先生は予測しています。
「先を読むチカラ」の重要性は科学技術コミュニケーターにも言えることです。よく知られたテーマだけでなく、まだ知られていないテーマについてもサイエンスカフェで提示していく必要性を感じているとのことです。
リアルとウェブの融合 - 「ヒバリ ~震災義援音楽配信プロジェクト〜」をヒントに
3.11の体験から人生観が変わったという村井先生。ウェブに関するスキルを社会に還元しようと考え参加したのが音楽配信プロジェクト「ヒバリ」です。このプロジェクトでは現代音楽の楽曲をウェブ上で配信し、義援金を集めたといいます。
「ヒバリ」の面白いところは「ウェブからリアルに繋がっていった」ところ。ウェブで配信していた曲でコンサートを行ったこともあったそうです。
ウェブは万能ではない。だからこそリアルとウェブの融合が大事になる。科学技術コミュニケーターにとってもウェブは重要なツールです。村井先生は私たちがこのリアルとウェブをつなぐ架け橋になってみようと呼びかけ、講義を締めくくりました。
村井先生、ありがとうございました。