実践+発信

[芸術祭選択実習12] 渡辺千絵 | あそびをつくる、こころを育てる

2021.3.15
<展示について>

今回、私はYCAMが展示予定であった「コロガルスノープレイグラウンド」を選択した。雪で作ったすり鉢状のグラウンドを土台に、参加者、鑑賞者の創造性と響きあいながら遊びを作る場所である。今回は実際の展示は行われなかったため、コロガルパビリオンの動画を拝見させていただいた。このパビリオンではルールはなくとも、遊んでいくうちに遊び方を発見し、汗だくで遊ぶ子どもたちが印象的だった。中でも、「どんな公園をつくりたいか」をお題に子どもたちがプレゼンし、そのアイデアに大人が本気で答える「子どもあそびばミーティング」には刺激を受けた。アイデアを出し合い、発表し、それを元に再会議、最終発表を経て、大人が本気でアイデアに答えるというものだった。この過程もとても子どもたちには勉強になるし、さらに形になることで、公園への愛着、思い出、経験が刻まれる。できている土台に子どもたちの創造性、大人たちの本気が上乗せされていく素敵な空間づくりを見ることができた。安全面への配慮や、どのような構想、過程を経てつくられたのか、もっとお話しを伺ってみたいと思った。以下、コロガルパビリオンでのお気に入りの場面。私的bestは、最後のこどもたちがプレゼンをしてくれている部分である。

 

<SIAF全体について>

実際に展示を作るより、今回のようにオンラインで行う方がとても手間がかかっていると思う。しかし、私のような遠隔に住んでいる人でも楽しめる、たくさんのコンテンツはとても面白かった。マトリックスは、テーマごとに探せ、なぜこれがこの分類なのか考えるきっかけにもなった。

アートメディエーションプログラムのオーディオガイドは、目をつぶって視聴したが、不思議を背中がぞわぞわとした(なぜかはわからない。最終的に目をあけといた)。少し長い印象だったので、2つか3つにわけるとよいかもしれない。

<コミュニケーターとして>

私は、全国の動物園・水族館で教育普及ボランティアをしている。私自身、教員免許を持ち、現在、学芸員資格取得に奮闘している。学校以外の学びの場所に興味があり、私自身も学校以外の学びに大きく影響を受けたため、これから勢力的に学びのコンテンツ作りや場づくりを行っていきたいと考えている。私はまだまだ未熟で、経験がないのだが、場を作るときには考えることがたくさんある。だれにとっても安全であるか(大きな事故が起こらないか)、どんな意図で、どんなことをかんじてほしいものなのか、どういうふうに見えるのか、なにを家に持ち帰って欲しいのか。これらが、きちんと考えられ、行動学的に環境から誘発されるであろう遊びを予想し作られていた。面白いの裏側には、たくさんの知恵と計算がつまっている。動物園・水族館にたりないのはここではないかと思った。伝えたいことを整理して、どこで、いつ、なんで、展示するのか、どのように見られたいかをもっと組み立てなくてはならないと私自身も反省した。YCAMのコンテンツが刺激になり、何か作り出したい、また子供たちの笑顔に会いたいと強く思った。