実践+発信

COVID-19大流行を踏まえた2020年度(16期)CoSTEP開講方針について

2020.4.17

2020年4月17日

科学技術コミュニケーション教育研究部門

部門長 川本 思心

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行が続いています。CoSTEPがある北海道でも、2月末の第一波よりも、4月から現在までの第二波の方が陽性患者数は多く、今後も全く予断を許しません。4月7日に7都府県に対して出された緊急事態宣言は、4月16日に北海道も特定警戒地域に含む形で全国に拡大されました。ひとまずの期限は5月6日までとされていますが、その後すぐに以前と同じような状況に戻るとは考えにくいでしょう。短くて半年、長くて数年単位でこの問題に向き合い、対処していく必要があります。

このような状況下で、CoSTEPはどのように教育・実践・研究を通して、よりよい科学と社会の関係構築をめざす科学技術コミュニケーションを実現すべきなのか、スタッフ間で協議してきました。私たちは既に2020年度(16期)受講生の募集を開始していますが、以下の方針で今年度も5月16日に開講することを改めてお知らせいたします。発信が遅くなったことをお詫び申し上げます。

【具体的な開講内容および変更の可能性などについてはこちらをご覧ください
【その後の対応の履歴等はこちらをご覧ください(7月29日公開・適宜更新)】

  • 受講希望者や受講生、スタッフや関係者の安全を最大限優先する
  • 感染拡大期においては、いわゆる三密(密集、密着、密閉)といった状況を作らない
  • 実施に当たっては、国、都道府県、北海道大学の方針や、信頼できる科学的情報等を可能な限り参照し、具体的な基準を設けて可否を判断する
  • その上で、事態が中長期化することに鑑み、健全な日常を可能な範囲で維持し、学び続けることの意義を重視し、そのための環境を提供する
  • 本科・選科・研修科各コースの学習目標は変えずに、平年の受講料相当の内容を担保しつつ、状況や受講生数にあわせて、別プログラムへの代替やオンライン化などの柔軟な変更によって実施する
  • 既存のeラーニングシステムの機能、運用経験を最大限活用し、教育の質の担保に努める
  • CoSTEPの事業全体に優先順位を設けて、優先すべきことに時間と人手をかける
  • 受講希望者や受講生に状況による不公平が生じないように最大限配慮する
  • 受講希望者や受講生にはもちろん、スタッフにも過大な負荷をかけずに持続可能に対応する
  • 多様な考えをもつCoSTEPスタッフで議論をして決定する
  • これを機に、受講生とともに新しい科学技術コミュニケーションの教育・実践・研究に取り組む

これらの基本的な考え方は、一月半程前、北海道独自の緊急事態宣言が発令され、3月7日の15期修了式が迫る中、スタッフで何度も議論して醸成されてきました。また、東日本大震災発生後の経験と反省も踏まえています。

CoSTEPは活発に議論できるスタッフ、独立性の高い組織、そしてなにより新しい学びを求めて集まる受講生によって成り立っています。今年度は何不自由のない、はじめから整ったプログラムを提供できる、とは断言できません。しかし、こういった状況だからこそ学びたい、一緒に新たな科学技術コミュニケーションを作り出したい、そういう皆様の受講をスタッフ一堂、お待ちしております。

参考:
北海道大学新型コロナウイルス感染症対策本部
「新型コロナウイルス感染拡大防止のための北海道大学の行動指針(BCP)2020年4月16日