実践+発信

ラジオ146:2009313

2009.3.13

 

いま発光生物がアツい!〜ノーベル化学賞から最新研究まで〜

食べ物探検隊 

回は満を持して、発酵食品のキーマン、乳酸菌が登場。だが、彼を待ち受けていたのは非情な結末だった…

コーステップインフォメーション

近江谷克裕(おおみやよしひろ)先生の新著「発光生物のふしぎー光るしくみの解明から生命科学最前線までー」(ソフトバンククリエイティブ・サイエンスアイ新書 09年2月24日初版発行)を紹介

研究室に行ってみよう

北海道大学大学院医学研究科(産業技術総合研究所) 近江谷克裕先生

今年度の「研究室に行ってみよう」は最終回。ということで、ハルキー、りょうすけ、ユッキーの3人で取材に行ってきました。訪れたのは、産業技術総合研究所・研究グループ長で、北海道大学大学院医学研究科の近江谷克裕(おおみやよしひろ)教授の研究室です。近江谷先生はウミホタルなど発光生物に関して、基礎から応用まで幅広く発光生物について研究されている、この分野の第一人者です。

2008年は日本人研究者が4人もノーベル賞を受賞しました。中でも化学賞を受賞した下村脩博士が発見したGFPは、21世紀の医学、生命科学を大きく発展させると言われています。近江谷先生は、現在も年に1回ほどアメリカの下村先生のご自宅に行って、研究に対する助言などをいただく仲だそうです。下村先生がウミホタルの研究を始めて、オワンクラゲからGFPを発見するまで。そして90年代のゲノムプロジェクトなどの生命科学研究が、GFPの存在によってどのように飛躍したのか、発光生物研究の歴史について詳しく伺いました。

医学や薬学などへ発光生物をいかに応用させるかも大事ですが、近江谷先生がもっとも興味があるのは、なぜ生き物が光るのか?という謎だそうです。少年のような純粋な好奇心を持ち続けている姿が印象的でした。近江谷先生は、いまでもニュージーランドや中国雲南省、ブラジルなど世界各地で、光る生物の採集を行っています。そして下村先生がこれまでに研究してきた 光る生物の中でも、まだ完全に光る仕組みが解明されていないものや、医学、生命科学に応用できる可能性があるものについて、これからも研究を続けていきたいそうです。

分からないことがたくさんあるのがサイエンスの魅力。若い人には自分しかできないことを見つけて、自分だけのサイエンスを作ってほしいというエールをいただきました。

今年度の収録はこれで最後でした。音声収録を担当してくださったNPO法人さっぽろ村コミュニティ工房の滝沢麻理(中央)さんと記念写真。左から2008年度メンバーの長崎昭子(アッキー)、齋藤亮介(りょうすけ)、滝沢麻理さん、椎名春樹(ハルキー)、吉川ユッキーです。

みなさん、私たちの放送を(根気強く?)聞いてくださって、本当にありがとうございました!