この体験記を読んでいるあなたはきっと少しでも科学技術コミュニケーションに関心のある方だと思います。ここでは普段、学生として大学、大学院で研究している方に焦点を絞ってCoSTEPで得られる学びと特徴について体験談を交えてお話しします。
地方の大学にいるそこのあなた、CoSTEPは遠隔地でも不自由なく学ぶことができます!!
(修了式の発表で実際に使ったバーチャル背景)
なぜCoSTEPを受講したのか
CoSTEPに関心のあるあなたはきっとこんな考えをお持ちではないでしょうか。
「大学で研究しているだけでいいのかな」「もっと研究室を超えた変わった学びをしたい」「自分の研究を外に発信したい」などなど。私自身は、大学の研究をもっと魅力的に発信できないかという思いがあり、以前から関心のあった科学技術コミュニケーションを学べるCoSTEPを受講することを決めました。
CoSTEPでは科学技術コミュニケーションとは何かといった概論から、現場で実践している方々のお話し、実践方法など科学技術コミュニケーションについて体系的に多くのことが学べる環境が整っています。また個人的な感想ですが、以下の特徴があったと感じました。
コロナに負けない!オンラインを生かした講座体制
高知県に住んでいたのと、昔から書くことには抵抗がなかったので選科Bを受講することに(イベントや企画を立ち上げてみたいという方には、同じ選科でもAがあります)。選科Bはe-learningをベースとしておりサイエンスライティングを学ぶことができます。夏には集中演習として札幌で3日間みっちり課題に取り組みます。私自身、札幌に行くことを楽しみにしていたのですが、今年はコロナウイルスの影響で、現地開催が見送られることに。しかしご安心を。スタッフの皆さんのおかげでオンラインでも円滑なコミュニケーションが取れましたし、オンラインだからこその利点を生かした様々な取り組みで柔軟に学ぶことができました。
実際に今年の修了式はオンラインで行われました。選科Bではビブリオバトルを行ったのですがオンラインならではの取り組みとして、各班、本の紹介ごとにバーチャル背景を用いて雰囲気づくりを行っていました。1年間通してオンラインに触れ続けたことで、オンラインでのイベントにも自然に適応できるようになったと感じています。
全国各地から集まる年齢の異なる受講生たち
受講生の多様なバックグラウンドも魅力の1つです。CoSTEPは大学内部ではなく社会に開かれた講座です。大学生、大学院生、社会人も民間企業から公的機関に務める人まで様々でした。これは研究室にこもっていては絶対に得られない環境です。これだけ背景が異なると、皆CoSTEPに期待することも違いますし実践したい科学技術コミュニケーションの姿も多様です。多様な価値観を持つ人々と交流しプロジェクトを作り上げること、これだけでもCoSTEPに参加した価値があったと思います。
CoSTEPから得たもの
研究と並行して受講するのは、皆さんの想像通り困難なこともあります。私も学会発表や就活の面接が重なった時は時間の調整に苦労しました。しかしそれ以上に得たものがあります。私はCoSTEPを修了した今、研究者の支援をしたい思いが強くなり大学職員を目指しています。大学職員として研究をサポートするだけでなく、教員の研究をより魅力的に発信していくことでこれからの科学技術の発展に貢献していきたいと思います。
万田和志(選科B)
高知大学大学院 総合人間自然科学研究科 修士1年