実践+発信

【2021年度CoSTEP修了式】福島県の高校生と行う「環境カフェふくしま」を通した地域協働の実践活動

2022.3.12

持続可能なエネルギー、持続可能な社会になるには?(第4回~第6回)

〇第4回 講義・質問~持続可能なエネルギー、持続可能な社会になるには?~

第4回寸劇の配役表

第1回目同様、導入に寸劇を行いました。スタッフだけでなく、高校生にも役になって、意見をもらう仕掛けにしたところ、こちらで想定していたコメントをすべて参加者が出してくれるという嬉しいハプニングもあり、一体感を持つことができました。再生可能エネルギーの普及には、技術以外にも課題があることを知ってもらいたいと、講演者に、いくつかの社会課題を提示してもらいました。これに対して、「理解が難しいながらも、問題が複雑に絡み合っていることは分かった」といった感想が見られ、ほかにも、新しい知識を得たことを楽しいと感じているというコメントからこちらの意図が伝わっていることが分かりました。講義で森林によるCO2吸収について触れたことから、CO2吸収源にも意識を向けてもらい、排出量削減目標値について改めて考えを深めてもらいたいという意図で郡山市の森林面積や吸収量の目標値などを調べてもらう課題を出しました。

〇第5回 グループワーク~持続可能なエネルギー、持続可能な社会になるには?~

最初に、前回の宿題について、それぞれが考えたことを全体で発表してもらった。課題で、「郡山市気候変動対策総合戦略(本編)」の中にある、現状、2030年、2050年それぞれの排出量、吸収量の目標値を見て考えた結果、それぞれ「これは実現可能なのか?」という疑問の声が一様に上がりました。次に、2グループに分かれて、活動報告会での発表テーマ「これからの10年で、脱炭素社会実現に向けて必要なことは?~10年かけて、なにを行っていけばよいのだろうか~」について、話し合いを行いました。A班は、「シェア」という言葉や概念について話し合いを行い、B班は、「意識」というキーワードが話し合いの中で導き出されました。さらに、それぞれの考えを深めてもらうため、話し合いの中で自分が気になった言葉をテーマに選び、調査する宿題に取り組んでもらうことにしました。

〇第6回 グループワーク(まとめ)~持続可能なエネルギー、持続可能な社会になるには?~

最初に前回出した宿題について、それぞれ調べた内容を発表してもらいました。その後、2つのグループに分かれ、活動報告会での発表テーマ「これからの10年で、脱炭素社会実現に向けて必要なことは?~10年かけて、なにを行っていけばよいのだろうか~」に沿って、どんなトピックで報告を行うか話し合ってもらいました。参加者からは、「ほかの参加者が調べてきた内容が初めて知る内容でとても刺激になった」との感想が複数あり、互いに学び合う面白さを実感している様子をうかがい知ることができました。そして、3月下旬に予定している活動報告会で、2つのグループそれぞれからこれまでのテーマについて考えたことを発表してもらうことになっています。

  • 第4回~第6回:まとめ

今回のテーマで扱う内容は、複雑で消化不良な部分も見られました。その一方で、参加者に毎回記入してもらうレスポンスシートに「自分の意見を言う時に緊張していないことを感じ、自分の成長を感じた」というものがあり、変化を実感してもらえたことに嬉しくなりました。ほかにも、参加する際にそれぞれが小さな目標を立て、対話の時間について自己点検しながら回を重ねる様子から、“参加者同士が相手の言葉を聞き、新しい視点を学び合う”という「環境カフェ」のコンセプトを引き継ぎ、実践できていると感じました。前ターンで課題だった“対話の時間の不足感”は、対話時間内のステップの数を減らすなどの工夫を重ね、感想として聞こえてこなくなりました。年度末にこれまでの集大成として活動報告会を開催予定です。