実践+発信

【2021年度CoSTEP修了式】福島県の高校生と行う「環境カフェふくしま」を通した地域協働の実践活動

2022.3.12

プログラムの構成

オンライン会議システムZoomを使用し、基本的にオンラインで開催ました。1回あたり90分の長さで、3回で1テーマを扱うようにしました。1回目は知識を取り入れる講義の時間とし、テーマに沿った専門家からの講義を40分程度で行ってもらいました。2回目では、1回目の講義で受け取った知識と1回目に出した宿題で自分たちが感じたことをグループ内で対話し、テーマについての理解を深める時間としました。3回目は話合いの内容を深め、考えた内容を発表する時間としました。

第1回~第6回の記録

第1回開始までに顔合わせやオリエンテーションなど、長めの準備期間を経て参加者とスタッフの間でぎこちなさが薄れた頃、第1回を実施しました。ここでは、第1回から第6回までの内容をそれぞれ簡単に紹介します。

 

脱炭素社会とはどんな世界?(第1回~第3回)

〇第1回 講義~脱炭素社会はどんな世界?~

「脱炭素社会ってどんな世界?」のタイトルで、地球温暖化の現状から、日本の取組み、エネルギー利用、CO₂排出量、脱炭素社会に向けて行われている事例や技術開発などを五味馨地域環境創生研究室室長に講義してもらいました。講義前、リラックスし、内容を身近に捉えてもらうための工夫としてスタッフと講師による寸劇を行いました。講義の最後には、生徒たちが自分の生活と結びつけて捉えられるよう「2030年度(中期目標)までに、CO₂排出量30%削減をどう実現させる?家庭の場合で考えてみましょう」という宿題を出し、それぞれの家庭のCO₂排出量について調べてもらうことにしました。

〇第2回 グループワーク~脱炭素社会はどんな世界?~

第1回の宿題(各家庭での家電のメーカー、年式、型番から使用電力量や燃料量を調べてもらい、CO₂排出係数を使って年間のCO₂排出量を計算)の結果を全員分配布し、4人1班の2グループに分かれて話し合いを行いました。データの比較から、感想や意見を述べ、温室効果ガスの削減目標値の実現、脱炭素社会の実現について考えてもらいました。合計60分間の対話の時間でしたが、参加者からは「話足りなかった」「対面だとオンラインより自分の意見を伝えやすくてよかった」などの感想がありました。

〇第3回 まとめ&発表~脱炭素社会はどんな世界?~

はじめに、2グループに分かれ、前回の話合いをまとめ、次の3つの項目についてそれぞれ10分弱の発表を行いました。

A班は、「30%削減は難しい。しかし、10数%は可能なのではないか。」という結論を出しました。まとめでは、「社会全体の転換を考えるには、それぞれが他人事ではなく自分の事として脱炭素化に取り組む姿勢を見せることが大切」としていました。その一方で、「今回の課題を通して、高校生としてできることなんてないのではないかと感じた。」という率直な感想も話してくれた。2グループの発表後、第1回で講義を担当してくれた五味さんから講評コメントをもらいました。それに対し、参加者からは、これまで調べたり考えたりして疑問に思ったことを積極的に話す様子がみられました。

  • 第1回~第3回:まとめ

ほとんどの参加者が、「言葉は聞いたことがあるけれど、 “脱炭素社会”、“カーボンニュートラル”はなんだかよく分からない」という認識から始まり、たった第3回で、自分たちで考えたことを発表してもらいました。第1回に出した宿題から、実際に普段使っている家電に目を向け、CO2排出量がどれくらいなのかを実感してもらうことができました。参加者からは、「(グループワークなどで)日常では聞かない仲間の環境課題に対する考えなどを聞くことができて面白い」、「自分一人では思いつかなかった考えが、他の人と話すことで引き出された」といった感想がありました。一方、「対話の時間が短く感じる」という声は毎回上がり、次のクールの運営側の課題となりました。