2021年度CoSTEP本科ライティング・編集実習の受講生による書評を公開しました。環境問題や生命にかんする問題を直球で扱った書評、世界の現状をデータから読み解くことを試みた著作、水族館や北大博物館の活動に焦点を当てた著作にかんするもの、ファンタジー小説を科学技術コミュニケーションの観点から扱った書評といった、さまざまなジャンルの本について受講生に独自の視点で書評を執筆してもらいました。
書評の候補となる著作5冊をブックカバーチャレンジで取り上げる中で、今回扱う著作を選びました。その後、著作の要約を書いてもらい内容の理解を確認したうえで、書評の執筆にとりかかりました。受講生どうしで重ねたピアレビューの中には、サイエンスライティングと科学技術コミュニケーションにかんするさまざまな学びがあったはずです。
例えば、短い書評において自分の観点を前面に出しながら書き上げていく活動においては、単なる要約を書くこととは異なる書き方が要求されます。また、論文を書くこととは違って届けるべき相手が既知の専門家ではないので、読み手のことをいつも以上に意識した書き方が受講生には必要でした。そうしたふだんとは違う書き方を実践することを通して、「科学技術コミュニケーションとはいかなる活動(であるべき)なのか?」という問いに直面した受講生もいました。
書評のリンクは以下になります。
- 『獣の奏者』ファンタジー世界を旅して科学技術コミュニケーションにたどり着く(担当:新井麻由)
- 『FACTFULNESS』「安心してほしい、世界は良くなっている。これからも世界を良くし続けよう。」(担当:長内克真)
- 『北大総合博物館のすごい標本』誰もがきっと博物館の「ヒト」になれる一冊(担当:江澤海)
- 『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』私たちがあらゆる生命に負う責任とはなんだろう(担当:木山瑠夏)
- 『トムソーヤーを育てる水族館』現役水族館館長が綴った、水族館の現場と「命の教育」への挑戦(担当:大竹駿佑)
- 『「環境を守る」とはどういうことか――環境思想入門(岩波ブックレット)』身近な所から環境について考えることの必要性(担当:福島雅之)