実践+発信

「プレゼンテーション伝える」(7/7)古澤 輝由 先生と池田 貴子 先生の講義レポート

2019.7.19

星崎 真由美(2019年度 本科/学生)

今回はCoSTEP古澤 輝 由先生と池田 貴子 先生による講義でした。タイトルは「プレゼンテーションで伝える」。お仕事の中でプレゼンテーションに深く携わってきたお二人から、プレゼンテーションにおける基本的な考え方や実践スキルについて学びました。

プレゼンテーションの意味は相手次第
講義の冒頭で古澤先生が仰っていた一言が印象的でした。それはプレゼンテーションの内容がどこまで伝わるかは相手次第であるので、大切なことは自分が伝えたいことを伝えるだけではなく、 「伝える相手」の想像力をかき立て、また「伝える相手」に対してとことん想像力を働かせることだと。以下の4点はプレゼンテーションを効果的に伝える上で心掛けが必要な点です。
1. ストーリー/構成
2. 説明
3. デザイン
4. デリバリー

1.2.4について古澤先生から、3のデザインについて池田先生からそれぞれご説明頂きました。

1. ストーリー/構成
まず、ストーリーを練る上で必要なのは「Take home message」を考えることです。プレゼンテーションを聞いた相手の知識や行動にどんな影響を与えたいのかを考えながら、目的を設定します。
構成については、長さを調節できる形にすること。時間の都合で内容を割愛せざるを得ない場面は少なくありません。

2. 説明
相手が理解できるスケールで説明するという心掛けが大切です。先に概要に触れてから詳細を説明する、複雑な内容は身近に感じさせる段階的に例を出しながら伝えるなどがそれに当たります。
専門用語を使うのは決して悪いことではないですが、言い換えが添えてあれば伝わりやすくなります。

3. デザイン
こちらは池田先生にご説明頂きました。プレゼンテーションにおけるデザインの果たす役割は単なる「かっこいい」といった機能美ではなく、視覚的に情報を補足する、内容理解を助ける、信用と信憑生を上げるといった印象戦略です。

デザインを工夫する上で気にかける点は2つ。それは、注目してほしい部分に視線を誘導することとノイズを減らすことです。

ノイズカットの課題は更にいくつかあります。まず、話さない内容を記載せず、視覚情報と聴覚情報を統一すること。適切なフォントを使い、世界観を統一すること。線の太さが一定なゴシック体の方がポップ体よりも読みやすいと言われていますが、これも目的に応じて使い分けましょう。3つ目は、文頭を揃え適切な位置で改行すること。そして、色の数を抑えること。使い方を統一して、最大でもベース、メイン、アクセントの3色を使うのが望ましいです。

最後に池田先生は、盲点になりがちなファイルサイズを落とすことの大切さを教えて下さいました。パワーポイントには画像圧縮という機能があるので、画質を下げ、ファイルを軽くすることができます。

4. デリバリー
スライドだけでなく体や指示棒などのモノを使って視線を誘導したり、喋りにメリハリや強弱、緩急を出す、間をとる、大切なことを繰り返すなど、相手をプレゼンに巻き込むためにできる工夫はまだあります。
無意識に出てしまう癖や振る舞いを確認するためにも、リハーサルと本番を撮影し、第三者の視点で意見をもらうことも、とても大切です。

最後に、もう一度プレゼンテーションにおいて大切なことを2つ教えて頂きました。1つ目は、プレゼンテーションにたくさん取り組むとともに、たくさん見ること。2つ目は、相手の想像力をかき立てるだけではなく、こちら側も相手を想像すること。

古澤先生、池田先生、ありがとうございました。