実践+発信

[芸術祭選択実習04] 若狹遥 | ディアナレロネク《Center for Living Things》

2021.3.15

ディアナ・レロネクは写真や生物、オブジェを使用し、人間と他の生物種の関係を探求するアーティストである。SIAF2020で展示予定であった作品は長期プロジェクトのインスタレーションである「Center for Living Things」。この作品は、廃棄されたモノ(製品)と、これらを生息地とする有機物(生物)の混成物を収集し「これは一体なんなのか」と見る人に問いかける。彼女は、この「物体」を環境の中で見つけ、収集、記録している。生息する植物の種類やどのような素材に生息しているのかを調査し、記録する。

特に私が面白いと感じたのが、面白いのが、この作品の展示会場としてがモエレ沼公園を予定していたことである。モエレ沼公園はゴミの埋め立て後に造成された公園である。内陸部全体に約270万トンのゴミが埋め立てられて、その後公園が造成されたモエレ沼公園も、彼女の作品と同様の巨大な物体ということができる。

廃棄された人工物と植物が組み合わったこの「物体」は、私にとっては意外となじんでいるようにもみえた。彼女はこの調査を札幌でも行う予定だったという。このような物体は世界各地で見つかる一方で、その環境によっても大きく異なる姿をとると考えられる。特にこの時期の札幌は雪深く、その面白さが見えていたかもしれないと思った。

<参考>
https://siaf.jp/siaf2020/news/artist/diana-lelonek/
http://dianalelonek.com/portfolio/center-for-the-living-things/
https://moerenumapark.jp/environment/