その部屋は、妙に細長い。部屋を縦に区切るように棚や机が並んでいるせいだ。そして崩れ落ちそうなほどに、本、書類、標本瓶、雑多な品々がそこに積まれている。この細長い、薄暗い部屋の奥に男がいる。
動物分類学者、柁原 宏。1930年から連綿と続く、系統分類学講座を継ぐ男。研究対象は紐虫。部屋には紐虫以外にも、講座の研究者たちが研究してきた様々な海の生物の標本が、そこかしこに納められている。
しかし、この部屋を形づくっているのは、学術標本だけではない。柁原に縁ある人々が残し、彼がもらった「宝」がいくつも紛れている。これらの品々は柁原を経て、また次の世代に引き継がれるのだろうか。それとも過ぎる時間のなかで溶け去ってしまうのだろうか。
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紐男の部屋 ~北海道大学理学部5号館5-5-10~
柁原 宏(北海道大学大学院理学研究院・准教授)
撮影日: 2019年2月5日・20日
パノラマ撮影:横谷 恵二
肖像撮影: 中島 宏章
執筆: 成田 真由美・佐藤 丈生(CoSTEPライティング・編集実習)
ウェブ制作: 大橋 真智子・小西 祐輔(CoSTEPメディアデザイン実習)
テキスト編集:川本 思心(CoSTEP)
ウェブディレクション:村井 貴(CoSTEP)
コンセプト: 川本 思心・村井 貴(CoSTEP)
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